たまづさ 1
15年ほど前に「たまづさ」という名前のMacintoshのワープロソフトがあった。ネーミングからも推察されるように、国産のソフトである。縦書きをサポートしたワープロソフトとしては嚆矢ではないだろうか。
単に縦書き可能というだけでなく、このソフトの秀逸なところは、ディスプレイ上に原稿用紙を表示し、そこに書き込んでいくというものだった。まさに原稿用紙のマス目を埋めていくという感覚だ。「デジタルの時代に手書きを模しても........」という危惧をよそに、徐々に販売数を伸ばしたという。原稿のワードだって縦書きをサポートしてても、原稿用紙モードは無いんじゃないかな。
作家、水上勉も愛用していたらしい。半兵衛父も5,6年使ったかな。何かの発表の時など、400字詰めの原稿用紙モードにして、「1枚読み上げるのが1分だから.........」と考え、考え。OS 9からOS Xに移行するときに使わなくなってしまったが、妙に愛着の湧くソフトであった。
縦書き原稿用紙モードという機能が一番のウリで、それなりの需要を引き起こしたわけだ。
半兵衛父はこのソフトでもう一つ気に入ってることがあるのだよ。それはネーミング。まずは語感。これは好みの問題だからいかんともしがたいけど。
みなさん、「たまづさ」という言葉の意味はご存知?ただしくは「たまずさ」と表記するようだが、「たまづさ」でもいいよう。半兵衛父は「たまづさ」のほうが好み。玉梓(たまあずさ)の転用なんですね。意味は、手紙・便りの美称、使いとか使者という意味らしい。
日本語としてとても美しい言葉だと思う。(^x^)