精神科医伊良部第3作はちょっと.......
先週、スタッドレスタイヤから夏タイヤに交換するのに、車をディーラーに持ち込んだ。自分で交換してもいいんだけれど.........走ってるうちに取れたら困るなぁとそれならプロに、と秋冬の年中行事ですな。
その待ち時間の暇つぶしに買い込んだのが、奥田英朗の「町長選挙」。「イン・ザ・プール」と「空中ブランコ」の前2作はとても気に入っていて、この3作目も期待していた。暇つぶしにはなったけれど、前作、前々作に比べるとクオリティは落ちますね。受診する患者が市井の人ではなくなって、実在の有名人を思わせるところが、すでに「今の旬だから、売らんかな」というスタンスが見えてしまう。この手の小説、時事ネタを扱うと鮮度の持つ期間がグッと短くなるね。
伊良部も前2作の破天荒さがパワーダウン。マユミはパンクロックバンドのギタリストということが明らかになるが、病院以外での私生活は不明のままの方がいいと思うのだが。
この作者、伊良部シリーズで一躍有名になったけれど、「東京物語」や「マドンナ」もオススメ。